ヤフオクでジャンク品として落札した個体です。
チューニングスケールが傾き、ダイヤルが回らない。電源が入らず、ACコードの差込口が反対に付いている等、写真で見る限り素人は手を出せない状態でした。
小生が着目したのはスピーカーグリル部分で、発売されて60年近く経過しているので、殆どの個体でサビや塗装剥離などがあるのですが、この個体は例外的に綺麗に見えました。
入手して整備後がこの状態で、ここまで来ると過去扱ったこのモデル53台中でも本体のみで見るとベストと言って良い美品でした。
勿論上述の不具合は全て修理済みで、3バンド受信、全機能に問題ない事を確認済みです。
ジャンクとして出して頂いた出品者に感謝したい程ですが、普通の目で見ればジャンクだった事も事実で、過去の修理の経験が役に立ったと思って居ます。
68年にハードケースとオフタイマー付きと言う、当時としては画期的な豪華仕様、10cmスピーカーに1.5Wの大出力で、戦略的とも言える￥15,500で売り出されました。
当時の直接のライバルは極めて洗練された美しいデザインとマイナス5デシベルと言う超高感度、更に軽量で操作性の良いソニーのIC11で、此方は外付けのACアダプターと革製のカバー付きで￥14800でした。
この2台は当時としては結構高価だったのですが、高度成長期の波にも乗って売れに売れ、その後のBCLラジオブームにつながって行きます。
この2台、多分受信性能はほぼ同じ位、音は繊細だけれど大出力に弱いソニーと自然で大音量にも強いナショナルと言う違いはあるものの全般的なラジオとしての性能は互角だったと思います。
但し、今日現役で動く物は圧倒的にナショナル製です。
大メーカーですQCにことの他厳しかったナショナルの面目躍如と言うところで、小生がこれまで此方で扱った約1500台程度のラジオの30台に一台はこのモデルです。
お届け翌日迄の買い手責任では無い不具合には責任を持って対応します。
価格はこの状態でですから多少高目ですが、滅多に無い良いコンデションなので妥当かと思います。
電池と自作ACコードはお付けします。

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